武器なき戦争
中学受験。北海道で生活する分には決して馴染み深い言葉ではありません。
そもそも、周囲の様子や考えを聞いて見るとマイナスのイメージの方が強く感じます。それは、「小学生なのにお受験をさせてかわいそう」、「公立の中学校からでも北大(北海道大学)に入れる」、「私立学校に高いお金を払うのが勿体無い」といったところでしょうか?
そして、北海道の新聞やテレビでは、「◎◎(塾)に通った生徒が、今年は△△人も北大に入った」と受験=高校入試、目標=北大、というのが北海道で生活する上で暗黙の前提のように思えます。
ただ、北大(北海道大学)には、北海道内の高校を卒業してもなかなか入ることができない。入れたとしても現役&浪人で全体の30%ということはあまり宣伝されていないようです。それも文系/理系の平均で30%なので偏差値のより高い医学薬学系、あるいは理工系ではよりこの比率が低下するものと思われます。
「じゃ、北大目指して、いい高校。いや、まずはいい中学目指して、小学生の時からよい教育環境を!!」という発想になりそうでならないのが北海道の特色。前半の「いい高校」→「北大」というのは万人が納得するところ、「勉強しなければ中学校でついていけないよ」と「小学校での学習」→「中学校」というのも賛同を得られそう。もちろん、学習塾のPRがもっとも盛んな「中学校」→「いい高校」というのは反対は出ないと思われますので、「小学校での学習」が「北大」に繋がるという発想も至極当然のように思えますが、いやいやそうはならないのです。
もし小学生の親がそういった発想を持っていれば、授業参観で見るべきポイントは、子供が小学校に馴染めているかというのもありつつ、「12年後に北大を目指せるよう学習習慣を身につけ、切磋琢磨できる友人と、しっかりとした教育を受けられる教師が見つかりそうか」となりそうですが、聞こえてくる声は、芸能人ネタや周囲の人の噂話など、そもそも、教育を通じた子供の成長というのは授業参観ひいては小学校生活全体を通してもあまり重視される点ではなさそうです(泣)。
では北大、あるいはいい高校はまったく関係のない話かというとそうではないようです。ブッダが悟りを開いたようにある日ふと気がつくようです。いい高校/いい大学に行かせようと。それは個人差は大きいですが、中学3年生くらいになってからでしょうか。
それでいいじゃんない。確かにそういった考えもあります。公立中学から北大に入ったというケースは一昔前にはよく聞いた話です。でも、東京大学に150人くらい合格する開成中学高校の場合(1学年の半分が東大!)、6年間でしっかりとしたカリキュラムが組まれており(>こちら)、さらに非常に優秀なライバルたちと競いつつ、すでに東大に入学したOB/OGとも交流する機会に恵まれるという「メジャーリーグのドラフト指名を目指す野球の超強豪校@米国」なイメージ。さらに伝説の受験予備校「鉄緑会」の指定校として同中学高校から約1,000名が上記カリキュラム以外でも熱血指導(?)を受けているという、「元メジャリーガーが放課後に強豪校の学生を指導する」といったイメージ(鉄緑会はこちら)。
それは同じ土俵に立つのは無理だよ。。と率直に感じます。公立中学から北大を目指す生徒は、こういった「強豪校」の状況を知りつつ、自らを高めるのが地道ながら無難な路のように思えます。「いや、開成の学生は北大を受けないから大丈夫だよ」といった声に耳を傾けるのではなく、中学生あるいは小学生のうちから、関東関西の中高一貫校では中1から大学入試を視野に入れた学習を進めているという事実を素直に受け入れるべきだと思うのです。そう、中学受験は情報戦でもあるのです。
そこに受験があるからだ
じゃ、なぜ中学受験をするかというと、名言を文字って、「そこに受験があるからだ」でしょうか。自然豊かでまったくそういった中学校や高校がなければ、割り切って通信教育に完全にシフトするという考え方もありだと思います。
ただ、札幌圏の場合、おそらく3パターンに分けることができます。中学受験など頭の片隅にもないケース(中学といえば公立のみ)、中学受験を視野に入れつつ学区を意識した住居を選ぶケース(私立あるいは進学校とされる公立)、進学実績を睨みつつよりハイレベルな中学を目指し早期から塾に通わせるケース(中学といえば私立)。最近は公立の中高一貫校がありますので、4パターン目もあるかもしれませんが基本路線としては3つ目と同じ発想です。
これらの区分についてはもちろん様々な意見はあると思います。そういった区分け自体に反対の意見も出そうです。ただ、「中学といえば公立のみ」という考えが北海道に置いてマジョリティ(主流)という事実に真っ向から反対するのは難しいのではないでしょうか。
そういった家庭に受験(受検)というのは共通の話題にはなり得ません。もちろん、そういった考え方も支持されるべきで他人が口を出すのもちょっと違う気がします。そうはいってもです。「強豪校」の生徒が小学校はSAPIX(公文を掛け持つケースも)、中学校以降は鉄緑会と、過酷で実践的な「修行」を経て、超強い「武器」を持って大学入試に望むのに対し、ほぼ「裸一貫」でそこに臨むのとでは自ずから結果が見えてきそうです。
そう、中学受験ができるという恵まれた環境にいる以上、それを子供に与えてあげたいというのは親のエゴかもしれませんが、子供が楽しそうに勉強できるよう環境を整え、もし希望するのであれば受験の機会やその学習の機会を提供するというのは、親だからこそできる「素敵な贈り物」のように思えます。
では、どうするか?
中学受験(公立の場合は受検)を少しでも考えているのであれば、行動第一という言葉に尽きると思います。幸か不幸か札幌圏で中学受験に対応できる塾は、五指に余ります(言い回しとして古いかも)。
なので、「全国統一小学生テスト」(四谷大塚。詳しくはこちら)にはすべて申し込みをしつつ、北大学力増進会(>こちら)か札幌錬成会(>こちら)の春季/夏季/冬季講習会を受講するところから始めるのが取っ掛かりとしては最適なのでは?と思っております。
ちなみに、「全国統一〜」は近場ではなくメインの会場で受けることをオススメします。保護者向け説明会が予定されていたり、いつもとは違う雰囲気の中でテストを受けるを通じて吸収できるものもあるようです。また、増進会の公開テスト(学力コンクール等)など、小学校1〜3年は年に1回以上、4年生は少なくとも2回、5年生以上は4回以上は受けることが必須とくらい考えておくと丁度よいように思えます。
偏差値が思ったより低く出て、やや落ち込むかもしれませんが、逆に小学5年生以上で大幅に偏差値を伸ばすことは難しいので、低学年からしっかりと試験に取り組み、少しずつそういった値も伸ばしていけるとよいのではないでしょうか?
もちろん、学校選びにおいて偏差値は重要なスケールの一つですが、学校の雰囲気を知ることは実際通う子供本人にとって最も重要な要素の1つですので、学校祭や学校説明会など機会を見つけて、どんどん積極的に学校に足を運んでみるのも重要な親の役割かと思います。
「うち今、中学受験の対策しているんだよね〜」、そう言って、周りからドン引きされたあなた。あなたの感覚の方が正しいです( ^∀^) 周りの反応は適当に流し、一緒に勉強に取り組んでいきましょう。ブログでは今後も中学受験についてのニュースや体験談を紹介していきたいと思います。
本日は長文となってしまいました。読んで頂いた方、本当にありがとうございました。