つぶやき

【感謝】本ご購入のお礼、本の紹介

つぶやき

本のご購入ありがとうございました!

ラクマでの本のご購入ありがとうございました。最近購入いただいた本の中から、数冊お礼を込めて、本のオススメポイントの解説です。まずは、GACKTさんの『自白』から。

こちらの本、いわゆるタレント本というより、タレント(才能)が溢れる人を育成するための本としても捉えられると思いました。幼少期から、ピアノに触れて、、というくだりはファンなら知っている、あるいはファンでなくてもGACKTさんなら、ということで想像に難くないと思いますが、私が読んでいて驚いたのは、11歳でピアノから一度離れていたこと。

すっかり、幼少期からのピアノで得た音楽的感性がその後の音楽活動に活きてきたとばかり思っていたので、その点はやや意外でした。ただ、その後、ちょっと悪目のお友達(?)との付き合いの中で、ヤンチャな面ばかりに目がいっていた友達が、実はピアノがうまかったということ。そして、それがGACKTさんの負けん気の強さに火をつけ、ピアノを凄まじい勢いで再開したのは(親から止められるくらい)、GACKTさんらしい!と妙に納得しました。

結果論かもしれませんが、才能は上に伸びるのを助けるのだけではなく、時には上から押さえつけるくらいの圧力、あるいは才能が自分で伸びようとする力を育むことが最も大切なのでは?と、「馬を水辺に連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない」という諺も連想しつつ、そのように感じました。

もう一冊の本は、11ぴきのねこシリーズ、馬場のぼるの『アリババと40人の盗賊』です。

作画が11ぴきのねこ同様、のほほんとした印象を与えつつも、アラビアンナイトの寓話と妙にマッチしているのが味があるなぁ〜と感じました。11ぴき〜と作者が同じということで、幼稚園などに1冊あってもよいかもしれません。大人でも、読み始めると止まらなくなるのがすごいところです(笑)。

本のオススメ 『闇のなかの黒い馬』(埴谷 雄高)

通常は、購入いただいた作品から本を紹介しているのですが、面白かったので(すみません)、出品中ですが紹介させていただきます。『闇のなかの黒い馬』(埴谷 雄高)です。

この本、埴谷雄高さんを読まれる方には有名な本だと思いますが、私にとっては先に書評(エッセイ)の方を読んでおり、読もう読もうと思っていたところ、たまたま入手することができました。

『死霊』で挫折した身としては難しいかなぁと思っておりました。難しかったです(笑)。思想的なところは理解できませんが、夢と現実の境目の曖昧さをひとつのテーマとして作品が構成されているように感じました。

それを文字に起こすと、「眠りこむ瞬間、例えば、連絡船の底部のうす暗い単色といった1つの」ぼんやりとした輪郭を、いわば宙に掲げた1つの盾の紋章のように、頭蓋の隅の想念のなかにもちあげたまま、闇の閾をこえた向こうの世界の眠りの海面に沈みゆく」(166頁)といったように、凡人の私にはこれまで一度も考えたことの表現を床に着いた時に頭に浮かぶのだなぁと、素直に関心してしまいました。

ちなみに、先に読んでいた書評は日野啓三さんの『自選エッセイ集 魂の光景』に収録のもので、日野さんの言葉を借りると、「作品の行間、言葉の裏側を真冬の夜更けの隙間風のように吹き抜けて、作品の自然な膨らみ、豊かな展開のはずみをそぎ落とし凍結させている黒く冷たい一種荒涼たるものの気配ーそれは、否定的なものへの傾向性を避けがたく刻印された、このわれわれの時代の唯一の確かな手ごたえではないか。」(107頁)と、こちらも凡人には頭の片隅さえ、よぎることのない語彙と表現の数々。

真剣に真剣で切り返す。小説を読む醍醐味のようなものを垣間見ることができたよい経験でした。ちなみに、『死霊』にはいつか心の準備ができた段階でリベンジしようと思っております(汗)。

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