つぶやき

【名言】村上春樹 『風の歌を聴け』〜『羊をめぐる冒険』&本ご購入のお礼

つぶやき

名言は、村上春樹の代名詞である。

「質問を質問で返すなあーっ!!」(ジョジョ4部)ではなく、今回は村上春樹の初期作品3冊(『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』)からの名言集と、本購入のお礼です。「ジョジョ愛」は、またの機会に語ります(笑)。

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」(中略)僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことだったが、少なくともそれをある種の慰めとしてとることも可能であった。完璧な文章なんて存在しない、と。

風の歌を聴け』7ページ(『村上春樹全作品集1979-1989より)

暗い心を持つものは暗い夢しか見ない。もっと暗い心は夢さえも見ない(以下略)

同上10ページ

気にするなよ。車は買い戻せるが、ツキは金じゃ買えない。

同上16ページ

以上が『風の歌を聴け』からの引用です。『ねじまき鳥クロニクル』などをラクマに出品中ということもあり、そちらの本を眺めているうちに、無性に「僕」と「鼠」との会話のやり取りが読みたくなり、初期作品を手に取りました。

「完璧な文章〜」については各所で引用されております。「名言」として取り上げられる「代表格」と言えるでしょう。それに対する対句ではないですが、(書くことは難しいものの)「うまくいえばずっと先に、何年か何十年か先に、救済された自分を発見することができるかもしれない(以下略)」と、「自己療養へのささやかな試み」として文章を書くということが、引用部分に引き続く形で記載されております(同8ページ)。

次に『1973年のピンボール』からの引用です。

物事には必ず入口と出口がなくてはならない。そういうことだ。

『1973年のピンボール』130ページ(『村上春樹全作品集1979-1989』より)

人はどんなことからでも努力さえすれば何かを学べるってね。どんなに月並みで平凡なことからでも必ず何かを学べる。どんな髭剃りにも哲学はあるってね、どこかで読んだよ。実際、そうしなければ誰も生き残ってなんかいけないのさ」

同上190ぺーじ

「ピンボール」、遊んだことがないので実感が乏しいのがやや残念ですが(汗)、「鼠」の会話が各所で出てくるのが何となく嬉しいですし、それ以降の作品を考えると、これが前面に出てくるほぼ最後を思うと、やや寂しい気持ちにもなります。

ちなみに、「物事には必ず入り口と出口〜」の対句ではないですが、(出口というものがなければ)「文章を書く意味なんて何もない。」と続きます(同138ページ)。

『羊をめぐる冒険』、本購入(『職業としての小説家』)のお礼

最後に『羊をめぐる冒険』からです。

本当にしゃべりたいことは、うまくしゃべれないものなのね。そう思わない?

『羊をめぐる冒険』(講談社)19ページ

あなたは何か、そういったところがあるのよ。砂時計と同じね。砂がなくなってしまうと必ず誰かがやってきてひっくり返していくの。

同上32ページ

ドーナツの穴を空白として捉えるか、あるいは存在として捉えるかはあくまで形而上的な問題であって、それでドーナツの味が少しなりとも変わるわけではないのだ。

同上91ページ

札幌の街は広く、うんざりするほど直線的だった。僕はそれまで直線だけで構成された街を歩きまわることがどれほど人を磨耗させていくか知らなかったのだ。

同上233ページ

何が良くて何が悪いかなんて、誰にわかるんだ?
(一部略)もし一般論の国というのがあったら、君はそこで王様になれるよ。

同上383ページ

『羊〜』については、「いるかホテル」や「十二滝町」のモデルとなった場所を想像するのも面白いですし、「一般論をいくら並べても人はどこにも行けない。」とする「鼠」への「僕」の切り返しを楽しむのもオススメですが、個人的には札幌の街並みに対する正確な描写(?)をGoogle Mapで「直線」の画像を見ながら、改めて小説を楽しむことをオススメしたいです(ガイドブックなどに入れたい表現です)。

最後にですが、『職業としての小説家』のご購入、ありがとうございました。こちらの本については簡単に一言だけ。小説を書いてみようと思った動機というか、小説をかけると確信した場面で”エピファニー(Eepiphany)”という表現を用いたことに、日野啓三さんみたい(驚)と意外に感じました。逆に日野さんが春樹さんみたいかも?と、そういった視点で再読してみることが密かな楽しみです。

まとめ

本日も読んでいただき、ありがとうございました。ちなみに「全作品」には、著者による自作解説が付いており、『風の音を聴け』に関しては、「シンプルな言葉を重ねることによって、シンプルな文章を作り、シンプルな文章を重ねることによって、結果的にシンプルではない現実を描くのだ」と、『騎士団長〜』もその延長線上で描かれているかと想像すると、ちょっとワクワクしました。

ここまで書いてきて、
全然、分かっていないわね」と”208”が言った。
本当に分かっていないわね」と”209”が言った。
という双子(『1973年〜』)の声と、
やれやれ」という「僕」のつぶやきが聞こえた気がしました (๑>◡<๑)

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